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我が思い出の歌「上海帰りのリル」      垣花八洋夫

 
私は小学校3年生のころ、多良間島から宮古島の平良市(当時)の小学校に転校してきた。僻地の多良間島からすれば、平良市は大都会で、映画館が2つもあり、夕方になると映画館の宣伝スピーカーからあの頃の美空ひばりの歌などがうるさく流されてきたものだ。
 
 二番目の姉は私が転校する前から、平良市の商店街で、住み込み
で働いており、18歳くらいであったが、休日になると、よく映画見に連れて行ってくれた。見る映画はほとんどが、姉の好みの恋愛物で、子供の私には映画の内容はよくわからないが、テーマ音楽はよく覚えている。私はいわばボディーガードのような役割であったようだ。

 「高原の駅よさようなら」「愛染かつら」「上海帰りのリル」などのうち、特に「上海帰りのリル」の歌を聞くと甘酸っぱい思いがする。

 大人になってから、意外なことに「上海帰りのリル」の歌の作曲者が渡久地政信という同郷の沖縄出身者で、この歌のほかにも大流行した多くの曲があることが分かった。その一部を紹介しよう。

          
題名                歌い出し
          上海帰りのリル 
          船を見つめていた
          島のブルース            奄美なちかしや 蘇鉄
          東京アンナ             ライトの虹を 踏みなが
​ら
          夜霧に消えたチャコ         俺の心を 知りながら
          湖愁                悲しい恋の なきがらは
          お富さん              粋な黒塀 見越しの松に
          踊子                さよならも 言えず
          俺は淋しんだ            赤い灯 青い灯 ともる
          長崎ブルース            逢えば別れが こんなに
 
          (これらの歌はいろいろな歌手が歌っている。)
                         2023年1月
上海帰りのリル  津村謙
島のブルース 三沢あけみ
夜霧に消えたチャコ フランク永井
お富さん 春日八郎
俺は淋しいんだ フランク永井
東京アンナ 大津美子
湖愁 舟木一夫
踊り子 三浦洸一
長崎ブルース 青江三奈 
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